「生かされて生きる」
・星野富弘さんの詩に、次のようなものがあります。
一日は 白い紙
消えないインクで 文字を書く
あせない絵の具で色をぬる 太く・細く
時には ふるえながら 一日一枚
神様がめくる白い紙に
今日という日を綴る
・「生かされて生きていること」が見事に綴られた素敵な詩です。人間の生命はいのちの神が今生かしてくださっているから生きるのであって、別に自分の力、人間の力で生きているわけではありません。人間は、生かしてくださるいのちの力に委ね、それに従い、それに沿って、与えられた生命を生きているだけです。
・もし、いのちの神が「はい、そこまで」と紙をめくることをやめられたらそれで人生は終わるのです。人間は生かされて生きているのです。
・この「生かされて生きている」から、前半の「生かされて」が抜けて、「生きている」だけの人生は、生かされている日々も少なくなった私には考えられないことです。
・「老い」を生きることは、若い日には予想もしなかった不都合な事態が起こります。そして不如意は増え続くものらしいです。安らかな老後を願うなら、「生かされて生きている」一日一日を、いのちの神にめくっていただいた生きるべき白紙として、今日という日を綴りたいと願っています。いのちの神が、白い紙をめくるその手をやめられるまで。
石田政美(横浜JOYバプテスト教会・派遣牧師)